こんにちは。
G.week あけですね。みなさまはいかがお過ごしでしたか。
僕は、“色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年”を読んだり、
“美術館”を訪れたりしてました。
and also had some works ☆☆
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今日は、その美術館についてです。
豊田市美術館(1995,F3B2,11120.75m2,谷口吉生)。
ディテールに圧倒される建築。
そして特徴は、幾何学的構成、箱型フレーム(門構え)。
アプローチはふたつ。
写真左下、もしくは右上から。
正面ファサード。
ランドスケープが完成されています。
この土地の風景はフレーミングによって切り出され、
建物と一体化。
サブファサード。
写真中央、壁から持ち出された空間にワクワク感を抱きます。
その空間。
順路の一部。
都市の風景を取り込んでいます。
土地の力(この眺望があるということ)を逃していません。
地域とつながるという構成手法は、現在までも昇華されており、
金沢21世紀美術館(2004,F2B2,28160.1m2,SANNA)に一端の結実がみられます。
室内空間。
ガラスをとおした自然光が、空間をやさしくつつみます。
吹き抜けの展示室を上部から眺める。
上下方向の連続性は、空間の広がりを感じますね。
連続性。
この手法、他にも国立西洋美術館(1959,F3B1,4399m2,Le Corbusier)にみられます。
外部空間。
わかりますか。
完成されたディテール。
線と線の交わりに注目してみてください。
タイルの目地と手すり格子ラインがそろっています。
壁にスリットがある場合のディテールのおさまり。
スリットの一端を床の目地と合わせていますね。
ここから読み取れるひとつは、スリットは主役ではなく、
壁の一部として扱われているということ。
もし、スリットを主役としたい場合、スリットの中心線を床目地と合わせることになるのです。
スリットの扱い。
なるほど。
建築と自然の融和。
きれいなランドスケープですね。
どの方向から眺めても建築が完成されています。
屋外展示は一部、壁によって囲まれ専用スペースが設けられています。
壁による落ち着き感は、その場が開かれた場所であればあるほど、
貴重で必要とされていきます。
美術館を一日歩いていると、少し落ち着いたところで休みたくなったりしますよね。
幾何学をもって土地の風景と一体させた空間。
穏やかな時が流れています。
土門拳記念館、ニューヨーク近代美術館(MOMA)等、谷口さんの建築は学ぶところがたくさん。
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洗練された空間は居心地がいいですね。
nakano